Gemini Notebook(旧NotebookLM)は「資料を要約するAI」ではなく、就活では「資料に根拠を聞き、面接で話す仮説を作る道具」として使うと強いです。2026年7月16日にGoogleがNotebookLMを「Gemini Notebook」へ改称しましたが、従来のURL(notebooklm.google.com)も作成済みのノートブックもそのまま使えます(2026年8月時点、出典は後述の公式発表)。既存のNotebookLM就活活用術では説明会資料やIR資料を整理する全体像を扱いました。この記事では一段深く、整理した資料を志望動機・逆質問・深掘り回答に変えるところまで、画面上の操作単位で進めます。
この記事でわかること:
- Gemini Notebook(旧NotebookLM)で企業研究を面接回答に変える5ステップと画面操作の手順
- 音声概要(Audio Overview)で有価証券報告書や中期経営計画を「通学中の企業研究」に変える方法
- 志望動機・逆質問・深掘り対策に使える質問プロンプト
Gemini Notebook(旧NotebookLM)で企業研究を面接回答に変える5ステップ
最初に結論です。Gemini Notebookを就活の企業研究で深掘りに使う手順は、次の5ステップです。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 第一志望1社だけでノートブックを作る |
| 2 | 採用サイト、IR資料、説明会の公開資料だけをソースに追加する |
| 3 | 「要約」ではなく「根拠つきの違い」を質問する |
| 4 | 引用元を原文で確認し、論点を自分の経験・就活の軸に接続する |
| 5 | 逆質問と深掘り想定質問を生成し、面接で使う数字と表現を再確認する |
ここで大事なのは、AIに「志望動機を書いて」と頼まないことです。Gemini Notebookに任せるのは、資料の中から根拠を探すところまで。志望動機の最終形は、あなたの経験、価値観、入社後にやりたいことをつなげて本人が作ります。AIが出した文章をそのまま提出・発言する使い方は、事実誤り、没個性、深掘りでの破綻につながるため推奨しません。
まず第一志望1社に絞ってください。10社分を一気に入れると、質問も回答も広がりすぎます。面接で使える深さを出すには、1社の公開資料を少なくとも3種類入れるほうが効きます。
名称変更で何が変わったか(2026年8月時点)
Googleは公式発表で、2026年7月16日にNotebookLMをGemini Notebookへ改称し、Geminiアプリとの連携を強化すると説明しています。就活生にとって重要なのは次の3点です。
- 従来のURL(notebooklm.google.com)でそのまま開ける。作成済みノートブックや共有リンクも引き継がれる
- ソースに基づく回答、引用表示、音声概要など、この記事で使う機能は改称後も同じ流れで使える
- 無料で始められる。上限拡張が必要な場合の有料枠はGemini Notebook単体ではなく、Google AI Pro(月額2,900円、2026年8月時点)などのプランに付帯する
検索や解説記事では旧称のNotebookLM表記がまだ多く残っています。本記事では以降、現名称のGemini Notebookで統一します。
画面操作の手順:ソース追加から逆質問生成まで
改称後の画面は「ソース(左)・チャット(中央)・Studio(右)」の3パネル構成です(2026年8月時点、パソコンのブラウザ利用時)。企業研究の1周は、次の番号順に操作します。
- ノートブックを作る: notebooklm.google.com にアクセスし、Googleアカウントでログインして、トップ画面の「新規作成」をクリックする。ノートブック名は「◯◯社_企業研究」のように1社1冊で付ける
- ソースを追加する: 新規作成直後に開く「ソースを追加」画面(あとから足すときは左の「ソース」パネル上部の「追加」ボタン)で、資料の種類ごとに入れ方を選ぶ
- 有価証券報告書・決算説明資料・統合報告書のPDF: 「ファイルをアップロード」を選ぶか、画面にPDFをドラッグ&ドロップする
- 採用サイト・IRページ・中期経営計画の公開ページ: 「ウェブサイト」を選び、URLを貼り付ける
- 公式YouTubeの説明会動画: 「YouTube」を選び、動画URLを貼り付ける
- 自分で取った説明会メモ(個人情報を除いたもの): 「コピーしたテキスト」を選び、貼り付ける
- 読み込みを確認する: 左の「ソース」パネルに資料名が並び、選択できる状態になれば準備完了。質問の対象を絞りたいときは、各ソース横のチェックボックスで対象を選ぶ
- チャット欄で質問する: 画面中央下部のチャット入力欄に、後述のプロンプトを貼り付けて送信する。「この会社を要約して」ではなく「根拠つきの違い」を聞くのがこの記事の核心
- 引用を確認する: 回答文の中に付く引用番号をクリックすると、根拠になったソースの該当箇所が表示される。数字・年度・事業名・方針の表現を必ず原文で確認する
- 逆質問・深掘り質問を生成する: 同じチャット欄で、後述の逆質問プロンプトと深掘り点検プロンプトを実行する
- 音声化する(任意): 右の「Studio」パネルで「音声概要」を生成すると、資料を対話形式の音声で聞き直せる(次の活用法は後述)
ソースの追加方法や対応形式の詳細は、Googleの公式ヘルプ「ノートブックの新しいソースを追加または検索する」に一覧があります。なお公式ヘルプのよくある質問によると、無料版の上限はノートブック100冊・1冊あたりソース50個・チャット1日50回・音声生成1日3回です(2026年8月時点)。企業研究は1社3〜5ソースで十分深掘りできるため、無料枠でまず問題ありません。
入れてよい資料と避ける資料
Gemini Notebookは資料をアップロードして使うため、最初に安全な線引きを決めます。就活生が使う場合は「一般公開されているか」で判断してください。
| 入れてよい資料 | 避ける資料 |
|---|---|
| 採用サイト、社員インタビュー、募集要項 | 選考中に個別配布された非公開資料 |
| 有価証券報告書、統合報告書、決算説明資料 | 社外秘、取扱注意と書かれた資料 |
| 中期経営計画、公式プレスリリース | 他の学生のES、面接メモ、個人情報入りの資料 |
| 公式YouTubeの説明会動画や公開資料 | 録音禁止の説明会を録音したデータ |
個人情報も入れないでください。自分の氏名、電話番号、メールアドレス、大学の学籍番号、面接官の名前、他の学生の発言などは伏せ字にします。AIに入れる情報は「漏れて困らない公開情報」に寄せるのが基本です。
機能・上限・料金は2026年8月1日時点で公式情報を確認しています。Gemini NotebookはGoogleのサービスで、ソースに基づく回答や音声概要などの機能がありますが、提供範囲や上限は変わることがあります。課金や重要資料の利用前には公式ページを確認してください。
要約ではなく「差分」と「根拠」を聞く
就活で一番もったいない使い方は、「この会社を要約して」で終わることです。要約は便利ですが、面接では「なぜその会社なのか」「同業他社と何が違うのか」を聞かれます。聞くべきは差分です。
このノートブックの公開資料だけに基づいて答えてください。
1. 採用サイトで強調されている人物像と、
中期経営計画で強調されている事業方針を対応させてください。
2. 対応している箇所ごとに、引用元を示してください。
3. 「面接で志望動機に使えそうな論点」と
「まだ根拠が弱い論点」を分けてください。
4. 資料に書かれていないことは推測せず「記載なし」と書いてください。
このプロンプトの狙いは、会社が「どんな方向へ進みたいか」と「どんな人を採りたいか」を同じ資料群の中で接続することです。回答が出たら、まず本文中の引用番号をクリックして引用元を開きます。数字、事業名、年度、方針の表現が合っているかを原文で確認してください。ここを飛ばすと、AIの要約を覚えただけの浅い企業研究になります。
次に、自分の経験との接続を作ります。
上の論点のうち、私の経験と接続できそうなものを選んでください。
ただし、経験にない事実を補わないでください。
私の経験:
- ゼミで地域企業3社へ聞き取り調査をした
- 10人チームの進行管理を担当した
- 調査結果を30ページの報告書にまとめた
出力:
1. 接続できる企業側の論点
2. 私の経験のどの事実とつながるか
3. 志望動機に入れるなら弱い部分
ここでもAIに完成文を作らせるのではなく、接続候補を出させます。最終文責は本人です。AIが「あなたはこの会社の変革に貢献できます」と書いても、その根拠を自分で説明できなければ使わないでください。
志望動機への変換例
たとえばGemini Notebookが、企業の中期経営計画から「地方中小企業向けのDX支援を強化」と、採用サイトから「顧客の現場に入り込む姿勢」を引用してきたとします。ここから志望動機に変えるときは、次の順番にします。
- 企業の公開資料にある事実
- 自分がその事実に関心を持った理由
- 自分の経験で近い行動
- 入社後にどう再現したいか
悪い例:
御社はDXに力を入れており、私の強みを活かせると考えました。
良い例:
御社が中期経営計画で地方中小企業向けのDX支援を重点領域に置いている点に関心を持ちました。私はゼミで地域企業3社に聞き取りを行い、現場の業務が属人化しているために改善案が進まない場面を見ました。その経験から、技術を提案する前に現場の言葉を理解する姿勢が重要だと考えています。御社の採用サイトで示されている「顧客の現場に入り込む姿勢」と、自分が大切にしてきた行動が重なるため、顧客接点の近い職種で課題整理から関わりたいです。
この例のポイントは、AIが作ったきれいな文章ではなく、資料の根拠と自分の経験が両方入っていることです。数字や企業の方針名は必ず原文で確認します。自己分析の素材がまだ薄い人は、先に自己分析AIプロンプト集で自分の経験を掘ってからGemini Notebookに戻ると接続が作りやすくなります。