OB・OG訪問の成否は、当日の会話力ではなく前日までの仮説の質で決まります。ネットの「質問100選」からコピーした質問は、誰が聞いても同じ答えが返る質問です。せっかく取れた30分を面談前のあなたしか作れない質問で埋める。その準備をAIで効率化するのがこの記事のテーマです。
この記事でわかること:
- 「調べればわかること」を排除し、その人にしか聞けない質問だけを残す仕分けの方法
- 質問リスト生成・仮説変換・模擬訪問・振り返りのプロンプト5本(コピペ可)
- 訪問を選考につなげる、訪問後1時間の整理術
まずコピペ:OB・OG訪問プロンプト5本の地図
30分の面談を「あなたにしか作れない質問」で埋めるための5本です。順番は、①で疑問を仕分けて調べ直し、②で仮説型に磨き、③で時間割に落とし、④で深掘りを練習し、⑤で訪問後に資産化する流れ。急ぐ人は①に自分の疑問を雑に貼るところから始めてください。
- プロンプト① 疑問の棚卸しと仕分け:あなたの疑問を「調べればわかる/本人にしか聞けない/失礼」に仕分けし、聞くべき質問だけ残す
- プロンプト② 仮説型質問への変換:「教えてください」を「調べて◯◯という印象を持ったが実感と合うか」に磨く
- プロンプト③ 質問リストの構成:本命が必ず聞けるよう、25分の時間割に並べる
- プロンプト④ 模擬訪問シミュレーション:社員役のAIと、答えをもらった後の「もう一歩」を練習する
- プロンプト⑤ 訪問後の振り返り:記憶が消える前に、選考で使える材料へ整理する
使う前の注意は2つです。AIが作った質問はそのまま読み上げず、自分の言葉に直す(準備してきた台本だと相手に伝わります)。そして相手の氏名や社内の非公開情報はAIに入力しない(整理に使うときも匿名化します)。前提となる企業調べは企業研究プロンプト集の手順で30分あれば足ります。以降、1本ずつ実行例つきで解説します。
プロンプト① 疑問の棚卸しと仕分け:聞くべきことを選別する
最初のプロンプトは質問の生成ではなく、あなたの疑問の選別です。
あなたはOB・OG訪問の準備を手伝うキャリアアドバイザーです。
目的: 私の疑問リストを「訪問で聞くべき質問」に絞り込むこと。
進め方:
1. 私の疑問を次の3つに仕分けする
A: 調べればわかる(公式サイト・採用ページ・ニュースで判明する)
B: その会社の社員にしか答えられない(実体験・社内の肌感覚)
C: 質問として失礼・答えにくい(初対面での給与の詳細など)
2. Aには「どこを調べればよいか」を1行で添える
3. Cには「聞き方を変えれば聞ける形」があれば代案を出す
4. Bだけを質問リストの候補として残す
私の疑問: 【残業は多いのか/若手はどんな仕事を任されるのか/
事業の今後/転勤の頻度/選考で見られるポイント…】
実行例のイメージ:「『事業の今後』はAです。中期経営計画に方針が載っているので先に確認を。『若手の仕事』はBですが、『入社1〜2年目で、想像と違ったギャップは何でしたか』と実体験を聞く形にするとより具体的な答えが返ります」。この仕分けを通すと、質問リストの半分が「調べ不足」だったと気づくのが普通です。Aに仕分けられた項目を調べてから、次のプロンプトに進んでください。
プロンプト② 仮説型質問への変換:「教えてください」を卒業する
同じテーマでも、「御社の社風を教えてください」と「調べて◯◯という印象を持ったが、現場の実感と合っているか」では、返ってくる答えの濃さが違います。後者が仮説型質問です。
私の疑問と、調べてわかったことを渡します。
目的: 疑問を「仮説型の質問」に変換すること。
仮説型質問の条件:
- 「私は◯◯だと考えた/という印象を持った」という仮説が入っている
- 仮説の根拠(調べた事実)が1つ添えられている
- 相手がYes/Noではなく体験で答えられる形になっている
制約: 私が調べていない情報を根拠としてでっち上げないこと。
根拠が足りない場合は「ここを調べてから聞くべき」と指摘すること。
疑問: 【若手の裁量はどのくらいあるか】
調べたこと: 【採用サイトに「1年目から顧客担当」とあった/
平均年齢が33歳と若い】
制約の「でっち上げないこと」は必須です。AIは仮説をもっともらしく見せるために、あなたが調べていない事実を勝手に根拠として挿入することがあります。訪問当日に「それはどこの情報ですか?」と聞き返されて答えられない仮説は、逆効果にしかなりません。仮説の立て方の考え方は逆質問を磨く方法と共通で、ここで作った質問は後日の面接の逆質問にもそのまま転用できます。
プロンプト③ 質問リストの構成:30分の時間割に落とす
質問が10個できたら、聞く順番と時間配分を設計します。
以下の質問リストで、30分のOB・OG訪問の構成案を作ってください。
条件:
- 冒頭2分の自己紹介と、最後3分のお礼・今後の相談を除いた25分で設計
- 「答えやすい質問→踏み込んだ質問」の順に並べる
- 本命の質問(私が特に聞きたいもの)に◎をつけたので、
時間が押しても本命が聞けるよう前半に配置する
- 各質問に想定所要時間をつけ、時間が余った場合の予備質問を2つ残す
質問リスト: 【◎若手の裁量の実感/◎入社後のギャップ/1日の流れ/…】
構成づくりを AI に任せる利点は、時間の現実が見えることです。25分で聞けるのはせいぜい5〜7問。全部聞こうとして全部が浅くなるより、本命2問に深掘りの余白を残す方が満足度は高くなります。出力された構成は印刷やメモアプリで持参し、当日は構成に縛られず相手の話が面白い方向へ脱線することを許すのが正しい使い方です。
プロンプト④ 模擬訪問シミュレーション:深掘りの練習をする
OB・OG訪問で差がつくのは、答えをもらった後の「もう一歩」です。これは練習できます。
あなたは【メーカーの営業職・入社5年目】の社員です。
私と模擬OB訪問をしてください。
ルール:
- 私が質問し、あなたは現実的な粒度で回答する(理想論だけにしない)
- あなたの回答には、あえて「深掘りできる余地」を残すこと
- 私が深掘りせずに次の質問へ進んだら、その場では指摘せず続ける
- 15分相当(質問5問)が終わったら、「深掘りすべきだったのに
流した箇所」と「良い深掘りができた箇所」をフィードバックする
私の最初の質問: 【…】
このプロンプトの狙いは、質問力ではなく傾聴と反応の練習です。実行してみると、「配属は運もありますね」のような含みのある回答を、多くの人がそのまま流してしまうことに気づきます。「運とおっしゃいましたが、希望を通しやすくする動き方はありますか」と一歩踏み込めるか。フィードバックで流した箇所を確認し、2回目を回すと明確に変わります。