ES添削でAIを使うなら、「いい感じに直して」ではなく「観点別に診断して」と頼んでください。全文を一気に書き換えさせると、文章は整っても、経験の主語が弱くなったり、AIが勝手に事実を足したりします。この記事では、ESを安全に直すためのプロンプトを、6観点診断、具体化質問、字数圧縮、深掘り耐性チェックに分けて紹介します。
この記事でわかること:
- ES添削に使えるAIプロンプト4本
- AIが事実を盛らないようにする制約の入れ方
- 提出前に本人が確認すべきチェック項目
プロンプト早見リスト:ES添削は4段階で直す
まずコピペ用です。ES本文を貼る前に、氏名、大学名、電話番号、メールアドレスなどの個人情報は削ってください。企業名も不安なら「A社」に置き換えて構いません。
| 段階 | 目的 | AIに頼むこと |
|---|---|---|
| 1 | 弱点診断 | 設問対応、具体性、行動、成果、学び、読みやすさを採点 |
| 2 | 具体化 | 足りない事実を質問で引き出す |
| 3 | 字数圧縮 | 重要な事実を残して短くする |
| 4 | 深掘り耐性 | 面接で聞かれそうな質問を出す |
プロンプト1:6観点診断
あなたは新卒採用のES添削担当です。
目的は文章を代筆することではなく、私の初稿の弱点を観点別に見つけることです。
設問:
【例: 学生時代に力を入れたことを400字以内で教えてください】
初稿:
【ここにES本文を貼る。個人情報は削除する】
診断してほしい観点:
1. 設問に正面から答えているか
2. 私の役割と行動が具体的か
3. 成果に数字または変化があるか
4. 困難と工夫のつながりがあるか
5. 学びが志望企業や仕事につながるか
6. 文章が読みやすいか
出力形式:
- 各観点を5点満点で採点
- 低い順に改善優先度をつける
- 事実を足さずに直せる改善案
- 追加で私に確認すべき質問
制約:
- まだ書き換えない
- 私の経験にない成果や数字を作らない
- 「よくできています」だけで終わらせない
このプロンプトでは、すぐに修正文を出させません。先にどこが弱いかを見ます。ESが落ちる理由は「文章が下手」だけではなく、設問に答えていない、行動が見えない、成果が曖昧、学びが仕事につながらない、など複数あります。弱点が分からないまま全文を直すと、表面だけきれいな文章になります。
プロンプト2:具体化質問
あなたはESの具体性を高めるインタビュアーです。
以下の初稿について、事実を作らず、私に質問して材料を増やしてください。
初稿:
【ここに本文を貼る】
不足している観点:
【6観点診断で低かった観点を貼る】
質問ルール:
- 質問は1回に1つだけ
- 役割、行動、数字、困難、工夫、学びの順で聞く
- 私が答えた内容だけを材料にする
- 5往復したら、追加できる具体情報を箇条書きで整理する
最初の質問から始めてください。
AI添削で一番大事なのは、修正文より質問です。たとえば「サークル活動を頑張りました」では弱いですが、「新入生30人の定着率が低く、歓迎会後の参加率が4割だった。そこで面談を月2回に分けた」と分かれば、文章は自然に強くなります。この事実はAIが作るものではなく、本人が思い出すものです。
プロンプト3:字数圧縮
あなたはESの字数調整担当です。
以下の文章を、指定字数以内に圧縮してください。
設問:
【設問】
現在の本文:
【本文】
指定字数:
【例: 400字以内】
絶対に残す情報:
- 私の役割:【例: 新歓企画の責任者】
- 具体行動:【例: 参加者アンケートをもとに企画を3種類に分けた】
- 成果:【例: 継続参加率が40%から70%に上がった】
- 学び:【例: 相手の不安を分解して仕組みに落とす重要性】
出力形式:
1. 圧縮版
2. 削った情報
3. 削らなかった理由
4. 字数
制約:
- 成果や数字を変えない
- 意味が変わる言い換えをしない
- ありきたりな美辞麗句を足さない
字数圧縮はAIの得意分野です。ただし「400字にして」だけだと、重要な行動や成果まで削られることがあります。残す情報を先に指定すると、AIは飾り言葉や重複を優先して削ります。
プロンプト4:深掘り耐性チェック
あなたは面接官です。
以下のESを読んだ前提で、面接で深掘りしたくなる質問を出してください。
ES本文:
【提出予定の本文】
質問ルール:
- 質問は合計8問
- 役割、困難、工夫、成果、再現性、志望企業との接続を必ず含める
- 質問ごとに「この質問で何を見たいか」を1文で説明する
- 最後に、回答に詰まりそうな弱点を3つ挙げる
制約:
- 圧迫面接の口調にしない
- 回答例を先に作らない
ESは提出して終わりではありません。通過した後、面接で深掘りされます。AI添削で文章だけ整えても、本人が答えられない内容なら逆効果です。提出前にこのプロンプトを使い、詰まった質問は本文に戻って調整してください。
結論:AI添削は「書き換え」ではなく「弱点発見」に使う
ES添削でAIを使う最大のメリットは、短時間で多面的にチェックできることです。友人や先輩に頼むと、どうしても回数に限りがあります。AIなら、設問対応、具体性、字数、面接質問まで何度でも確認できます。
一方で、AIには大きな弱点があります。本人の経験が本当かどうかを知らないことです。だから、AIが「成果を数値で示しましょう」と言っても、数字を作ってはいけません。「売上を伸ばした」と書きたいなら、実際に何円、何件、何人、何%の変化があったかを自分で確認します。数字がない場合は、「参加者の表情が変わった」のような曖昧な表現ではなく、アンケート、継続率、作業時間、提出数など測れる変化を探します。
ES全体のAI活用手順はAIでES添削する正しい手順で扱っています。ガクチカの壁打ちから始めたい人はガクチカのAI壁打ちのやり方、自己PRなら自己PRのAI添削手順も参考になります。
実行例:ガクチカ初稿を直す
初稿が次のような文章だとします。
私はカフェのアルバイトで新人教育に力を入れました。新人が早く仕事を覚えられるように、マニュアルを作成し、分からないことを聞きやすい雰囲気づくりをしました。その結果、新人が自信を持って働けるようになりました。この経験から、相手に寄り添って行動する大切さを学びました。
6観点診断にかけると、おそらく「役割と行動」「成果の数字」「困難と工夫」が弱いと出ます。そこで具体化質問を使います。
- 新人は何人いたか
- 何に困っていたか
- マニュアルは何ページで、何を変えたか
- 教育前後で何が変わったか
- 店長や新人からどんな反応があったか
本人が「新人4人のうち2人が1か月以内に辞めていた」「レジ締めでミスが多かった」「写真つきの手順表を12ページ作った」「独り立ちまでの期間が平均20日から14日に短くなった」と答えられれば、ESは一気に具体的になります。
修正後は次のようになります。
カフェのアルバイトで新人4人の教育を担当し、独り立ちまでの期間短縮に取り組みました。当初はレジ締めの手順が口頭共有に頼られ、確認漏れによるミスが続いていました。そこで私は、作業を写真つきで12ページに整理し、勤務後に5分だけ振り返る時間を設けました。その結果、新人が一人でレジ締めを担当できるまでの期間は平均20日から14日に短縮されました。この経験から、相手の不安を分解し、再現できる仕組みに落とすことの大切さを学びました。
この修正文の強さは、AIの表現力ではなく、本人が追加した事実にあります。AIは質問役と整理役に徹しています。