志望企業を絞ったら、次は個別企業の深掘りです。「企業研究をAIで効率化したいけれど、IR資料まで読ませていいのか、情報が正しいのか不安」。そんなときは、事業理解から逆質問づくりまでを5工程に分け、IR要約は必ず原典で裏取りするのがコツです。まず、そのまま使える5本を工程順に示します(2026年7月時点の使い方です)。
この記事でわかること:
- 企業研究をAIで進める工程別プロンプト5本(事業理解→逆質問)
- IR・中期経営計画をAIに要約させ、原典で裏取りする手順
- AIが企業の事実を誤る前提での、確認の進め方
企業研究をAIで進めるプロンプト(事業理解・競合比較・IR要約・人物像・逆質問)
企業名を当てはめて、上から順に使ってください。会社の全体像から、面接で使う材料へと落ちていきます。
プロンプト1:事業内容を理解する
あなたは就活生を指導するキャリアアドバイザーです。
「(企業名)」について、就活生が押さえるべき事業内容を次の項目で整理してください。
・主力事業と、それぞれが何で収益を得ているか
・事業の柱が複数ある場合、その構成
・一般に知られている強み
学習時点以降の情報や不確かな箇所は明示してください。事実は私が公式情報で確認します。
プロンプト2:競合との違いを見つける
「(企業名)」と、同業の代表的な競合(一般に知られている範囲で)を比べ、
・事業領域や戦略の違い
・ターゲットや強みの違い
・就活生から見た立ち位置の違い
を整理してください。個別企業の未公開情報は書かず、一般に公開されている範囲に限定してください。
不確かな点は明示してください。
プロンプト3:IR・中期経営計画を要約する
以下は「(企業名)」のIR資料/中期経営計画の本文です。
就活生が理解すべき要点を、次の観点で要約してください。
・今後の重点戦略と、その狙い
・注力する事業領域や市場
・数値目標(あれば、原文のまま抜き出す)
要約は元の資料の範囲だけで作り、推測で補わないでください。
【資料本文】(IR資料の該当箇所を貼る)
プロンプト4:求める人物像を抽出する
以下は「(企業名)」の採用ページ・メッセージの本文です。
この企業が求めている人物像を、キーワードと、その根拠になった記述をセットで抽出してください。
書かれていないことは推測せず、本文にある表現だけから整理してください。
【本文】(採用ページの記述を貼る)
プロンプト5:逆質問を作る
私は「(企業名)」について「(自分が企業研究で得た仮説・気づき)」を持っています。
この仮説を踏まえた逆質問の候補を5つ出してください。
・調べれば分かることは避け、働く人にしか聞けない内容にする
・自分の仮説が伝わる聞き方にする
文章は候補として出し、私が自分の言葉に直します。
この5本の使い方と、IR要約で絶対に外せない裏取りを順に説明します。企業研究の前段の業界研究は業界研究をAIで進めるプロンプトに、ハルシネーション対策を織り込んだ別アプローチは企業研究AIプロンプトにまとめています。
企業研究プロンプトの使い方:5工程で進める
なぜ5工程に分けるのか。企業研究は「会社を知る」だけでなく、「面接で使える材料に変える」作業だからです。事業を理解するだけで終わると、ESや逆質問に落とせません。全体像から逆質問まで工程で進めると、企業理解がそのまま面接の武器になります。
| 工程 | プロンプトの狙い |
|---|---|
| 1 事業理解 | 何で稼ぐ会社かの全体像をつかむ |
| 2 競合との違い | 同業の中での立ち位置と強みを見る |
| 3 IR・中期経営計画の要約 | 会社が今後どこへ向かうかを、原典を裏取りして押さえる |
| 4 求める人物像 | 採用メッセージから、自分と接続する軸を抽出する |
| 5 逆質問づくり | 企業理解の深さを示す質問を、自分の仮説から作る |
大事なのは、工程3以降で「資料本文を貼る」「推測で補わない」と縛っている点です。AIに企業名だけ渡して事実を語らせると、誤情報が混じります。公式資料の本文を渡し、その範囲で整理させるのが安全です。AI利用全体の線引きは就活でのAI利用の注意点を参照してください。
プロンプト1:事業内容を理解する使い方
最初にやるのが事業理解です。企業研究でつまずく人の多くは、その会社が「何で稼いでいるか」を一言で言えません。プロンプト1は、その全体像を作ります。
実行イメージは「主力事業はA事業とB事業。A事業は法人向けの◯◯で、収益は月額利用料。B事業は…」といった、事業の柱と収益源の整理です。ただし、ここでAIが出す事業内容は誤っていることがあります。特に近年事業を拡大・再編した企業では、古い情報のまま説明されることがあります。出力は「調べる出発点」として受け取り、事業内容は必ず企業の公式サイトで確認します。
確認しながら読むと、「この事業、公式サイトには載っていない」「最近の事業が反映されていない」といったズレが見つかります。そのズレこそ、AIの限界と、自分で確認する価値がある場所です。
プロンプト2:競合との違いを見つける使い方
事業を理解したら、同業の中での立ち位置を見ます。面接で「なぜ同業の中でこの会社か」と聞かれたとき、競合との違いを語れると説得力が出ます。プロンプト2は、その違いを整理します。
実行イメージは「A社は総合力とスケール、この企業は特定領域の専門性で差別化」といった、戦略や強みの違いです。ここでも「一般に公開されている範囲で」と縛るのが大事で、AIが競合の内部事情をもっともらしく生成しても信じてはいけません。
出てきた違いは仮説として扱い、各社の公式情報で確認します。競合比較は、そのまま「なぜこの会社か」の志望動機の土台になります。他社ではなくこの企業を選ぶ理由が、比較の中から見えてきます。
プロンプト3:IR・中期経営計画を要約する(必ず原典で裏取り)
ここがこの記事で最も注意が必要な工程です。IR資料や中期経営計画は、会社が今後どこへ向かうかが書かれた一次情報で、志望動機を厚くする材料になります。AIに要約させると効率的ですが、要約だけを信じてはいけません。
安全な手順は次の通りです。
- 企業の公式IRページから、原典の資料を入手する。中期経営計画・決算説明資料などは公式サイトで公開されています
- 資料の本文をAIに渡して要約させる。プロンプト3のように「資料の範囲だけで、推測で補わない」と縛ります
- 要約を必ず原典で裏取りする。特に数値目標(売上高◯◯億円、◯年までに◯%など)は、AIが取り違えることがあるため、原典から直接抜き出して確認します
- 面接で使う数字は、要約ではなく原典から取る。要約は理解の補助、引用元は原典、と役割を分けます
AIは長い資料の要点整理は得意ですが、数値や固有名詞の正確さは保証されません。IR資料の要約を志望動機に落とし込む具体的なやり方は企業研究AIプロンプトでも扱っています。原典で裏を取る一手間が、面接での事実誤りを防ぎます。